Birdy Decanter Laboratoryでは、季節をテーマに毎月2本ずつワインをピックアップ。Birdyデキャンタによる「時短デキャンタージュ」で楽しめる変化を、ワインライターの西田恵さんにレポートしていただきます。
キラキラなイルミネーションが街を飾るクリスマス・シーズン到来! そしてこの時期のワインといえば、キラキラな泡がスパークルに輝くスパークリングワイン!
スパークリングワインをデキャンタージュ? 意外に思うかもしれませんが、実はスティルワインと同じように、いえ、時にはそれ以上に、スパークリングワインをデキャンタージュすると味わいの変化が楽しめるのです。パーティーなどでぜひBIRDY.を使ってみてください。場が盛り上がること間違いなし!
Roger Goulart
ロジャー グラート
Cava Gran Reserva Josep Valls
カヴァ グラン・レセルバ ジョセップ・ヴァイス
産地:スペイン ペネデス
ぶどう品種: シャルドネ35%、チャレッロ30%、マカベオ20%、パレリャーダ15%
世界中で大人気のスパークリングワイン。日本でもこの10年で輸入量はおよそ1.5倍に伸びています。とくに飛躍が目覚ましいのはスペインのカヴァ。フランスのシャンパーニュで製法を学んだカタルーニャ地方出身者が、スペインで初めてスパークリングワインを造ったのは1851年と言われています。ロジャーグラートは名門カヴァのひとつ。すべてのカヴァは同一年収穫のブドウで造られたヴィンテージ、最低熟成期間が規定の2倍、伝統品種を主に用いる点が特徴です。
ロジャーグラートの歴史は、創始者ジョセップ・カナルスがブドウ栽培を始めた19世紀初頭にさかのぼります。カナルスは1860年に農家の地下に酒蔵を開設。その後、フランスのシャンパーニュに魅了された彼は、スペインでもシャンパーニュに匹敵するスパークリングワインを造ろうと一念発起。1882年に瓶内二次発酵させた伝統的なシャンパーニュ製法でスパークリングワイン造りを始めました。使うブドウは、カヴァの故郷ペネデスの伝統品種、マカベオ、チヤレッロ、パレリャーダとシャルドネ。一番搾りの果汁のみを用います。瓶内熟成は、最低でもカヴァの規定の9カ月の2倍の18カ月。このキュヴェは、ロジャーグラート社で5半世紀にわたり醸造家として活躍したジョセップ・ヴァイスへのオマージュとして造り上げた究極の1本です。本当に優れた年にしか造られず、瓶内熟成を48カ月も行っています。
「シャンパーニュ」はフランスのシャンパーニュ地方産のものしか名乗れないこと、みなさんすでにご存じですよね。でも実は、カヴァも1970年頃まで「チャンパン(チャンパーニュ)」と呼ばれていました。シャンパーニュの生産者から抗議を受けたため「カヴァ」に名称変更したのです。
<Birdy デキャンタによる飲み比べ>
そのまま:グレープフルーツや熟したリンゴ、洋ナシ、ほのかなトーストの香り。勢いのよい泡とともに、熟した白桃や洋ナシの果実味が口いっぱいに広がります。グレープフルーツの果皮のような、さわやかなほろ苦さも感じます。
ゆっくり添わせる:香りは洋ナシよりグレープフルーツなどのシトラス風味が強くなってきました。泡は細かく溶け込んで口あたりはとってもまろやか。酸味や果実味がハッキリと出てフルーティーな味わいになります。
ちょい回し:香りには白い花やハーブも加わり、よりやさしく軽やかに。味わいは、洋ナシやリンゴの果実味とハーブや白い石を思わせるミネラル風味が調和し、よくできた白ワインのような落ち着きが出てきました。
パーティーのアペリティフなら「そのまま」の元気いっぱいな華やかさを楽しんで。グリルチキンなどの白身のお肉料理と合わせるなら「ちょい回し」の洗練された味わいをどうぞ。個人的には、「ゆっくり添わせた」酸のキレイな味わいを、ポン酢で食べる鍋と合わせたい!
ワイン輸入元:三国ワイン(株)
http://www.mikuniwine.co.jp/
そのまま、ゆっくり添わせる、ちょい回し、グルグル回し? いろいろと試して、ご自身のお気に入りをぜひ探してみてくださいね!
Text : Megumi Nishida
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