ワインは生き物。コーラや果汁ジュースとは異なり、瓶詰めされてからも少しずつ変化、進化を続ける飲み物です。だからこそ、「いつ飲むのがベストなのか?」というのは、ワインを飲むときの大きな課題。このワインは若いうちに飲むのがいいの?それとも熟成させてから飲むのがいいの……?ワイナリーの資料やワイン専門誌などには飲み頃が記載されていますが、ワインを前にしていちいち調べるのも手間ですよね。
また、つねに自分の味覚にぴったりのワインを見つけられるか、というと、それも難しいもの。こんな味かな?と期待して開けたら、どうも今ひとつ……、という場合も。
そんなときの強い味方がBirdyデキャンタ。
Birdyデキャンタならご自分の手でお好みの味わいに近づけられます。
まず、ワインの色を見てみましょう。
グラスの底がハッキリ見えるような透明感のあるワインは、洗練されたエレガントなタイプに分類できます。連載で紹介した中ではピノ・ノワールが当てはまります。この場合は、Birdyデキャンタをそーっと添わせて、すこーしずつワインの風味を開かせるのがポイント。まわすほどに、酸味がたち、透明感が増し、風味が開いてくるので、お好きなところでストップしてください。急激に回すと、繊細な風味が飛んでしまうので要注意!
グラスの底が見えにくい色の濃いワインは、味わいもしっかり重厚な場合が多いもの。連載で紹介した中では、イタリアのバルベーラやキャンティ、チリのカベルネ・ソーヴィニヨン、オーストラリアのシラーズ、ボルドーのシャトー・ベル・アシーズ・クォーが当てはまります。栓を開けたばかりのワインは、ボトルの中に閉じ込められていた風味がぎゅーっとちぢこまっています。元気で濃厚なワインが好き、という方はそのままでもOKですが、せっかくなら、ワインに深呼吸をさせて、手足を伸ばすように風味を開いてあげましょう。そうっと添わせるところから始めてみてください。ひと回しごとにいろいろな香りや味が広がり、複雑になっていくことでしょう。とはいえ、濃いワインだからとグルグルまわし過ぎないように。酸味とタンニンの渋みが目立ってしまうことがあります。
年代が若く、紫を帯びた若々しい濃い色のワインの場合は、添わせ方に神経質にならなくても大丈夫。飲み頃には早かったかな?という場合も、空気と触れ合うことで果実味や酸味、タンニンなどが一体化し、飲み頃の味わいに近づけることができます。逆に、グラスの淵に少しレンガ色が入るような古い年代のものは慎重に。いきなりグルグルすると、玉手箱を開けた浦島太郎のように色も風味もあっという間に退化してしまいます。眠れる森の美女のようにやさしく起こしてあげて。そーーっと添わせるのがおススメです。
フレッシュ&フルーティーでカジュアルに楽しめるロゼワイン。若いうちに飲む場合がほとんどなのでデキャンタージュする必要はないのでは?と思うかもしれません。けれど、ロゼもBirdyデキャンタによって楽しみ方が広がります。
そっと添わせると、赤いベリーフルーツの風味が華やかに広がります。赤ワインの要素が前面に出るので、白身の肉料理やパスタなど、メインの料理と一緒に楽しめるでしょう。
ちょい回しをすると、酸味や白い花のような風味が高くなるので、白ワインの要素が前面に。魚介類のフリットやカルパッチョなど、アペリティフから前菜にかけての時間を彩ってくれます。
いずれの場合も、グルグルまわしは禁物。ロゼはカジュアルなイメージですが、色が表すように、デリケートなワインなのです。
また、ロゼは温度によっても風味が大きく変わります。冷えた温度を保つために、ワインだけでなく、Birdyデキャンタを30分くらい冷蔵庫で冷やしておくとよいでしょう。
Text : Megumi Nishida
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