2017/10/30Birdy Decanter Laboratory
10月のワイン / 01. シャトー・メルシャン 甲州きいろ香

Birdy Decanter Laboratoryでは、季節をテーマに毎月2本ずつワインをピックアップ。Birdyデキャンタによる「時短デキャンタージュ」で楽しめる変化を、ワインライターの西田恵さんにレポートしていただきます。

 

 

食欲の秋!がやってきました! 食材が豊富になってきたうえに、夏と冬が綱引しているような変わりやすい陽気の今、食べたいと思うものも、その日によって異なりますよね。そこで10月は、どんな料理にも合わせやすい、ワガママをきいてくれるオールマイティーなワインをご紹介します。料理に合わせてBIRDYで味わいを微調整すれば、1本のワインがさまざまな場で活躍してくれることまちがいなし!

 

■ 10月のワイン vol.1 白ワイン

メルシャン
シャトー・メルシャン 甲州きいろ香
産地:日本
ぶどう品種: 甲州

 

 

日本固有のブドウ品種「甲州」。ワインとしても、食用としても、なじみ深いブドウですよね。では、甲州は日本にいつどうやって根付いたのでしょうか? これにはいくつかの説があります。ワイン用ブドウの故郷コーカサス地方からシルクロードを経て、1200年前に日本に渡来したという説。または、12世紀に現在の勝沼町で見つかった山ぶどうを改良したという説。明治時代に日本で最初に本格的なワインが造られたのも、この甲州からでした。

 

メルシャンの源流は1877年創業の日本初の民間ワイナリー、大日本山梨葡萄酒会社。1949年に甘味を添加しない本格的なワインの戦後第一号ブランドとして「メルシャン」が誕生しました。目指したのは、「世界に認められる日本のワイン」。ワインは農産物という考えから、自社管理農園でのブドウ栽培を通じて得た知見や技術を、全国の契約畑農家に還元し、ともに発展する道を探っています。
「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香」は、ワインの香りの世界的権威であるボルドー大学デュブルデュー研究室とのプロジェクトにより生まれました。奥ゆかしい香りの甲州から香りのポテンシャルを引き出し、まったく新しいスタイルを築いたワインです。メルシャンは日本ワインの発展のためにと、この香りを生むプロセスを企業秘密にせず公開しています。

 

実はこのワインの誕生には、日本人も深く関わっています。デュブルデュー教授の盟友で同じ研究室で技術指導を行った富永敬俊博士です。そのため、このワインのラベルには富永博士の著書『きいろの香り』に登場する「きいろ」という名の青い鳥が描かれ、未来の甲州ワインの香りの象徴としているのです。富永博士には生前何度かお目にかかったことがありますが、人間的にもとても素晴らしい方でした。そしてデュブルデュー教授はインタビューをするたび、富永博士の話をなさっては涙ぐんでいらっしゃいました。今は雲の上で、きっとおふたりでおいしいワインを楽しんでいらっしゃることでしょう。

 

<Birdy デキャンタによる飲み比べ>

<用語解説>
そのまま:ワインボトルからそのままグラスへ注ぐ
ゆっくり添わせる:ワインをBirdyデキャンタに注いだら、少し斜めに傾けて内側をゆっくりなぞるように一周する。
ちょい回し:ワインをBirdyデキャンタに注いだら、そうっと(←ココ大事!)1、2回、回す。

 

そのまま:レモンやグレープフルーツのような、フレッシュでキリリとしたシトラスフルーツの香り。口に含むと、シトラスの風味とともに、やさしい洋ナシの果実味もふんわり広がります。さわやかな酸味が余韻に残ります。

 

ゆっくり添わせる:フレッシュなシトラスの香りに、白い花や白桃のようなやさしい香りが加わります。味わいは、洋ナシよりも、グレープフルーツをほおばったような、ほろ苦くジューシーな味わいが前面に出てきました。

 

ちょい回し:レモンやグレープフルーツのフレッシュな香りが戻ってきました!少しライムのような青っぽさも加わります。味わいは、洋ナシとシトラスがバランスよく調和。すこーし、白コショウのようなスパイシーさや青いハーブの風味も加わります。

 

 

■ ワインライター西田恵のひとこと

今日は天気がいいから魚介類のマリネやフリットなど軽やかな料理がいいなと言うときは、「そのまま」でフレッシュ感を楽しんで。ちょっと肌寒い日には「ちょい回し」ふくよかな味わいをキノコのソテーやテンプラとどうぞ。個人的には「ゆっくり添わせた」ほろ苦さを大根おろしたっぷりのサンマと楽しみたい!

 

■ ぶどう品種あれこれ

カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどコーカサス地方原産のワイン用ぶどうをヴィティス・ヴィニフェラ、コンコードやナイアガラなどアメリカ原産のジュースや食用ぶどうをヴィティス・ラブルスカと分類します。前者は糖度や酸度が高く、粒が小さくてタネや果皮の比率が高いのが特長。後者は「狐臭」と呼ばれる(実際にキツネ臭いわけではないのですが)風味が特長。日本ワインではデラウェアなどでその風味がみられます。

 

ワイン製造元:メルシャン(株)
http://www.kirin.co.jp/products/wine/

 

そのまま、ゆっくり添わせる、ちょい回し、グルグル回し? いろいろと試して、ご自身のお気に入りをぜひ探してみてくださいね!

Text : Megumi Nishida

 

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