2017/06/19Birdy Decanter Laboratory
6月のワイン / 01. エルマノス・リュルトン クエスタ・デ・オロ ルエダ 2014

Birdy Decanter Laboratoryでは、季節をテーマに毎月2本ずつワインをピックアップ。Birdyデキャンタによる「時短デキャンタージュ」で楽しめる変化を、ワインライターの西田恵さんにレポートしていただきます。

 

 

雨に濡れる紫陽花が美しい6月。梅雨をさわやかに楽しく過ごすのにお薦めなのは、フルーティーで洗練されたワイン。今月のワインは、白ワインは冷蔵庫でしっかり冷やして、赤ワインも30分くらい冷蔵庫に入れてからスタートするのがポイント。時間とともに少しずつ温度が上がると、香りと味わいが変わってくるので、その変化も楽しんでみてください。

 

■ 6月のワイン vol.1 白ワイン

Hermanos Lurton
Cuesta de Oro, DO. Rueda
エルマノス・リュルトン
クエスタ・デ・オロ ルエダ 2014
産地:スペイン ルエダ地方
ぶどう品種:ヴェルデホ

 

スペインというと赤ワインのイメージがありますが、ルエダはスペインきっての白ワイン産地。今、スペインでもっともぶどう畑の値段が高い注目の場所です。ヴェルデホというぶどう品種は、11世紀にアフリカからやってきて以来この地で栽培されています。

 

ワインの造り手はフランソワ・リュルトン。あれ、フランス人の名前? そうです、実はオーナーはフランス出身。リュルトン家はボルドーで数多くのシャトー(ワイナリー)を所有する名門一族。フランソワはボルドーだけに飽き足らず、世界中の優れたワイン産地を探しだしてワインを造っているのです。

 

ルエダの白ワインは、造り手によって、スッキリして飲みやすいワインから、コクのある複雑な味わいのものまで、いろいろなタイプがあります。クエスタ・デ・オロは後者。ていねいに手で収穫し、良いぶどうだけをセレクト。フランス製の木樽で発酵、熟成させて造られました。

 

<Birdy デキャンタによる飲み比べ>

<用語解説>
そのまま:ワインボトルからそのままグラスへ注ぐ
ゆっくり添わせる:ワインをBirdyデキャンタに注いだら、少し斜めに傾けて内側をゆっくりなぞるように一周する。
ちょい回し:ワインをBirdyデキャンタに注いだら、そうっと(←ココ大事!)1、2回、回す。

 

そのまま:熟した黄桃やバニラの濃厚な香り。アーモンドのような香ばしさと、熟した洋ナシや黄桃を思わせる果実味が一体となった、ボリューム感ある豊かな味わい。

 

ゆっくり添わせる:フルーツに黄色い花やジャスミン・ティーの香りもプラス。こっくりボリューム感のある果実味に酸味が加わって、口の中で華やかに広がるように。

 

ちょい回し:洋ナシやオレンジの皮、白い花、と、香りはだんだん軽やかに。味わいは、たっぷり濃厚な果実味に、オレンジの皮のような風味と酸味、濡れた白い石を思わせる鉱物感が加わり、どんどん複雑に変化してゆきます。

 

 

■ ワインライター西田恵のひとこと

個人的に気に入ったのは、硬質かつ複雑な味わいになる「ちょい回し」。カリフォルニアのシャルドネなどリッチな味わいがお好みなら、「そのまま」で。食事に合わせるなら「ゆっくり添わせる」がおススメ。

■ ルエダあれこれ

産地の中心地はトルデシリャス。ポルトガルと新大陸分割線を決めたトルデシリャス条約制定の地。コロンブスはルエダワインを携えて航海に出たと言われています。

 

ワイン輸入元:白井松新薬株式会社
http://www.shiraimatsu.com/

http://www.shiraimatsu.com/cart/cuesta-oro/

 

そのまま、ゆっくり添わせる、ちょい回し、グルグル回し? いろいろと試して、ご自身のお気に入りをぜひ探してみてくださいね!

 

Text : Megumi Nishida

 

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